2013年7月15日月曜日

ポケットモンスター ベストウイッシュ

神速のゲノセクト ミュウツー覚醒
ピカチュウとイーブイ☆フレンズ

 うちのムスメ共は、昨年はももいろクローバーZの歌を歌いまくりでしたが、今年は私立恵比寿中学がお気に入りになったようで、「サクラゴーラウンド」と「手をつなごう」を歌っております。ポケモンの影響は絶大であります。もうプリキュアや仮面ライダーよりも上です。
 小学生高学年ともなるとクラス内で「プリキュア好きだと公言すると子供っぽいと云われる」そうですが、「ポケモン好きだと公言しても特に何も云われない」らしい。何故だ。
 実はクラスの中にはもうひとつ、〈アイカツ!〉派もいるらしいが、こちらも子供っぽくはないらしい。キミたち、五十歩百歩と云う言葉を知っているかね。

 ところで、うちのムスメらの一番、好きなポケモンはイーブイだそうです。メロエッタではないのか。いつからそうなったのだ(去年までは確かにメロエッタだった筈なのに)。今のところムスメの中のランキングでは、イーブイ>メロエッタ>ピカチュウのようです。
 確かにイーブイは毛並みもきれいだし、可愛いケドね。しかし毛並みだけならチラチーノもキレイでしょうと云ってみたが、受け付けない。
 よく判らん。イーブイには進化形に幾つものバリエーションがあるのがいいらしい。ソーナンデスか。よく判らん。
 マッギョもいいよねと云ってみたがサッパリでした。

 そのイーブイを主役にした劇場版が公開されるというので、早い内からリクエストされまくりでした。今年の劇場版も二本立てです。長編『神速のゲノセクト ミュウツー覚醒』と短編『ピカチュウとイーブイ☆フレンズ』。
 どう見ても短編の方がムスメらの目当てであるのは昨年と同じか。女の子は可愛いポケモンの方が好みなのか(当然そうでしょう)。
 もう劇場版第一六作か。長く続きますねえ。

 さて、短編の方はいつものことながら、ポケモン達だけで語られるメルヘンタッチの番外編のようなストーリーです。
 ある夏の日にピカチュウ達は新たなポケモンと出会い、友達になる。「ニンフィア」と云うピンク色の如何にも女の子受けしそうな可愛いポケモンです。
 これがイーブイの新しい進化形のひとつであるそうな。いつの間にそんなバリエーションが。
 パパはまだ七つの進化形を覚えきれていないと云うのに、もう八つ目か。と云うか、DSのゲームはやらないのに、ムスメらはどこからその情報を仕入れてくるのか(学校の友達から)。
 しかし、シャワーズ、サンダース、ブースター、リーフィア、エーフィ、グレイシー、ブラッキーは、何となく属性が理解できる分類でしたが、ニンフィアは「むすびつきポケモン」だそうです。意味が判らん。
 やっぱり世間的に「絆」が大切だとされたから追加になったんですかね。

 友達になったニンフィアに案内されてピカチュウ達は森の中のイーブイハウスへ。そこは各種のイーブイ達が部屋を持つ大きな大木のような住居でした。
 何やら「こえだちゃんと木のおうち」の拡大版のような住居です。内部には各属性別に環境が整えられた部屋があって、ピカチュウ達がそこを廻っていくと云う、何だか他愛のないお話ですが、ムスメらは楽しいらしい。パパ的には、誰が何の目的でこんな住居を用意したのか知りたいところですが、そんな疑問には誰も答えてくれません。

 歓迎されたピカチュウ達はそのままお泊まり会へと雪崩れ込む。何故か厨房でバイトをしているニャース達と、アホな宴会芸も挟みつつ、他のポケモン達も集まって、宇宙の彼方の星々を上空に映し出すサプライズな星空パーティが盛大に……。
 お泊まり会、楽しかったねえ──と云う、おハナシでした。
 パパ的には、ニンフィアの声が中川翔子であったと云うエンドクレジットが一番、サプライズでした。
 ED主題歌はやはりエビ中の「手をつなごう」でして、劇場内ではお子様達が声を合わせて歌っておりました。

 続いて長編『神速のゲノセクト ミュウツー覚醒』です。サブタイトルが二つもある。長い。
 ゲノセクトと云う昆虫型のポケモンが登場するのも珍しいが、再びミュウツーが登場するらしいと云うのも驚きデス。最近のポケモンのTVシリーズは、過去の劇場版でのみ登場したポケモンが顔見せするエピソードが相次いでおりますが、やはり一作だけで終わらせるには勿体ないと誰かが思ったのでしょうか。
 パパ的には、かつて特撮番組『流星人間ゾーン』に、ゴジラやキングギドラが登場すると云って興奮した覚えがあるのですが、今の子供達もそれと似たような気分を味わっているのでしょうか(古いデスカ)。
 イマドキは怪獣映画なんてありませんが、そのニッチをポケモンが埋めているような気がします。劇場版用の新ポケモンであるゲノセクトと、かつて最強と謳われたミュウツーが戦うと云うのが、もう怪獣映画ノリですわな。
 しかも今般、ミュウツーはフォルムチェンジして新たな形態となるそうな。

 実はこの長編には前日譚があり、劇場版公開直前に「ミュウツー 覚醒への序章」と云うエピソードがTV放送されておりました。さては短編『ピカチュウとイーブイ☆フレンズ』を同時上映にしたが為に、長編の尺が足りなくなって、ミュウツーが覚醒する部分だけを別エピソードとして分けてしまったのか。これを先に観ておかないと、きっと劇中でミュウツーがフォルムチェンジする理由が判らないのであろう。
 と、思っていたのですが……。

 この前日譚に、特に意味は無かったですねえ。とある山中でポケモン救助隊のバージルさんがミュウツーと遭遇すると云うエピソードでした(どうでもいいが、救助隊のバージルさんが状況に応じて各種イーブイを駆使したり、バージルさんのお兄さんの名前がスコットだったりするのは、やっぱりアレだよなあ)。
 このエピソードで、ポケモンハンターに狙われるミュウツーが、高速移動する為にフォルムチェンジするのですが、最初からそれが当たり前のように描かれておりました。あれえ? もう既に覚醒しているのでは。これでは「序章」とは云えぬような気がします。

 しかもミュウツーの声が変わっている。『ミュウツーの逆襲』(1998年)──これがポケモンの劇場版第一作でしたねえ──では、市村正親だったのに、いつの間にやら高島礼子ですよ。
 でも「人間の手によって作られた」と云う記憶はあるので、性転換でもしたのかしら(大人の事情があるにしても大胆に変えすぎなのでは)。

 特に劇場版につながるようなエピソードでもなく、「覚醒への序章」を観なかったからと云って、意味が判らなくなるようなことはありません。と云うか、判らないことは、ずーっと判らないままなのでした。何が覚醒だったのかしら。
 今般の劇場版は、押し並べて背景設定に説明不足なところが多いような気がしました。短編との同時上映である所為でしょうか。ストーリー的にも、それほど捻っているところもありませんでしたし。

 サトシ達御一行は、大都会ニュートークシティにやって来る。誰がどう見ても都市のモデルはニューヨークです。
 その大都会のど真ん中に大きな自然公園があって──セントラルパークですね──、そこにオープン前の施設〈ポケモンヒルズ〉があった。サトシらはオーキド博士の紹介で、オープン前の〈ポケモンヒルズ〉を見学させてもらうが、そこに謎の昆虫型ポケモンが現れ、大騒ぎになる。更にゲノセクトを追ってミュウツーが……と云うストーリー。

 ゲノセクトは群れを作るポケモンで、五体登場しますが、リーダーの赤いゲノセクト(山寺宏一)の命令は絶対らしい。ちょっとした回想シーンで、ゲノセクトもまた人間が作り出したポケモンであることが語られますが、どこで、誰が、何の為になんぞと云う説明はありません。三億年前の化石から誕生したという経緯が『ジュラシック・パーク』(1993年)を思わせますが詳細は不明。
 台詞は無いが、どうやらそんなことをしたのはプラズマ団らしいのは背景にチラリと紋章が映るので察せられます。
 ロケット団がミュウツーを作り出したのと同様に、プラズマ団がゲノセクトを作り出したようです。そして同じように自由を求めて研究施設から脱走したらしい。
 大体は察せられますが、プラズマ団がゲノセクトを追ってくることはなく、ロケット団の連中も活躍できません(最近の劇場版ではロケット団の扱いが小さすぎる)。

 また、これはキャラクターの造形に拠る影響でしょうが、どうにも集団を形成する昆虫型ポケモン──アイアントなんかもそうですが──は感情移入しづらい。機械的なイメージが強調されていることもあって、没個性になるのが苦しいところです。ロボットのように表情も変わらないし。
 五体のゲノセクトのうち、サトシ達と関係を結ぶ一番小さな幼体だけは多少なりとも台詞もありましたが、他はほとんど喋らず、個性に乏しいです。
 ゲノセクト同士の連帯というか、絆の描写をもっと強調しても良かったように思えました。

 ストーリーも、それほど複雑ではないです。三億年前とはすっかり様子の変わった世界で、安住の地を探すゲノセクトが〈ポケモンヒルズ〉を拠点と定めて巣を作り始める。巨大なスズメバチの巣のようなデザインが気色悪いです。
 しかし他のポケモン達を追い出し、自分達の都合だけで作る巣は都市機能に影響を与え、危機的状況を惹起してしまう。
 ミュウツーは自分と同じ境遇であるゲノセクトを助けようとしているのに、ゲノセクトのリーダーが分からず屋で、思考が硬直しており、聞く耳持たない(このあたりが昆虫的か)。
 かくして一方的にゲノセクト側がミュウツーを敵と見なして攻撃を開始し、大都市を舞台にハイスピードの戦闘が繰り広げられる。

 超高速で展開する戦闘シーンの演出は迫力あるものの、いささか単調です。前作『キュレムvs聖剣士ケルディオ』(2012年)のように、仲間を助ける為とか、恐怖を克服して成長するとかいった観客に感情移入できる描写が見受けられません。
 サトシやピカチュウが、ゲノセクトとミュウツーの戦闘に介入できないので尚更です。高速で目にも止まらなさすぎ。
 伯仲する戦いに、心中覚悟で決着を付けようとするミュウツー。大気圏から二体絡まったまま落下してくるところを、周りのポケモン達が助けようとするのがクライマックスです。
 「この世界に存在しない筈のポケモン」は、世界には不必要なのかと考えるミュウツーに対して、「要らないポケモンなどいない」と云うサトシのポケモン愛が炸裂して一件落着。
 無益な戦いを終結させて、ゲノセクト達を新たな営巣地に移すことで都市機能も復旧し、八方丸く収まります。ミュウツーもサトシ達人間を少し見直したようで、「貴方たちに出会えて良かった。またどこかで会うこともあるでしょう」と去って行く。

 もうちょっとゲノセクトが可愛ければ、ドラマとしても盛り上がったかも知れませぬが、どうにもマシンのようなデザインが裏目に出てしまったような気がします。男の子ウケはするのかなぁ。ポケモンなのに変型したり、ロボットのような描写も善し悪しでしょうか。
 いきものがかりの歌う主題歌「笑顔」は、ムスメ達も気に入ったようです。エンドクレジットでは、TVシリーズに登場したゲストキャラ達も次々に顔見せしてくれ、ファンサービスも怠りなし。
 終わった直後に新シリーズ『ポケットモンスター XY』の告知付。劇場版は例によって来夏公開とな。ではまた来年(当分、このパターンは変わらんか)。




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