2013年3月16日土曜日

プリキュアオールスターズ NewStage 2

こころのともだち

 今年(2013年)でTV放映開始一〇周年ですね。
 しかし今年のプリキュア──『ドキドキ!プリキュア』──で八チーム、総勢が三二名。もうオールスターズで製作するのもかなり辛くなっているのではないかと推察するのですが、画面の上では実に華やか。本当に〈プリキュア48〉が実現しそうなイキオイです(あと三年くらいか)。
 うちのムスメらも飽きずに観ておりますし。上のムスメ(一〇歳)はボチボチ「戦隊ものはちょっと……」と云い出しておりますが、プリキュアはまだ大丈夫。

 しかし「オールスターズ」と銘打ちながら、若干不満に思うところもあります。
 総勢三二名のプリキュアが並ぶのは壮観ではありますが……。前作『プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち』(2012年)の劇場版オリジナルのプリキュアであるキュアエコーには出番なしかッ。せっかくの能登麻美子なのに!
 うちのムスメも突っ込んでいましたよ。「エコーは?」って。
 まあ、三二名でも大変なのに、これ以上増やしたくないと云うのも判りますけどね(でもどうせ四八名になるまでやるんでしょ?)。

 本作の脚本はお馴染みの成田良美。第一作からシリーズ全作品に参加している唯一の脚本家であります。担当したシリーズ構成は三作、映画脚本はこれで六本目となり、東映アニメーションの脚本家の中ではシリーズ最多記録を更新中と云うのが凄いデス。
 そうでないとオールスターズの脚本は任せられませんデスね。でもかなり苦労しておられるのでは。

 前作では初代から三代目までのプリキュア達には軒並み台詞がなくなってしまい、ちょっと寂しく思っておりましたが、今回は各チームから少しずつ削るという演出方針に変更になったので、あまり不自然ではなくなりましたかしら。うーむ。確かに、喋っていなくても活躍している場面があるので、忘れられているわけではないのですが……。
 キュアブロッサム(水樹奈々)とキュアマリン(水沢史絵)に台詞があるのに、キュアサンシャインとキュアムーンライトにはナシか。それでも全く台詞の無かったスプラッシュ組やGOGO組よりはマシか。
 直近のプリキュアだけは全員、台詞がありますが。
 今後は各チーム回り持ちで、台詞があったりなかったりするようになるのでしょうか。

 とりあえず本作では、初代が完全復活してくれているのが、個人的には嬉しいデス。
 本名陽子とゆかなの「デュアルオーロラ・ウェイブ!」の掛け声を久しぶりに耳にしました。田中理恵の「ルミナス・ハーティエルアクション!」も。

 とにかく全体の尺が七一分しかありませんし、そこに何十人もの声優さんを詰め込むのは至難でありましょう。本作ではプリキュアだけでなく、パートナーの妖精も大挙登場いたしますし。
 今回は特に「妖精の国」を舞台にした「妖精達とプリキュア」の物語になっておりますので、ゲストキャラも妖精達です。人間はほぼプリキュアしか登場しません。
 妖精のファンには堪らないのでしょうか。しかし「プリキュアの妖精」はどいつもこいつも「ぬいぐるみ形態」なので、大挙して登場したからと云って大して画面に華があるわけではない。
 お子様は満足しているからいいのか。パパはぬいぐるみには萌えないのですが。

 本作では、妖精達は一人前になる為に〈妖精学校〉で学ぶという設定が紹介されます。
 各シリーズの妖精達は全て異なる異世界の住人でしたが、なんと時空を超越した留学制度のようなものが成立しておったのですね。
 歴代の妖精はここの卒業生だったのか。一体、いつからそんな組織が発足しておったのやら。実は皆、先輩後輩の関係だったのか。ホンマかいな。

 だからキャンディ(大谷育江)とシャルル(西原久美子)が顔見知りでも問題ないのです。しかし年齢的にちょっと合わないのでは。キャンディ、幼すぎるでしょ。設定上はほとんど未就学児童並みの年齢だったのでは。
 プリキュアのクロスオーバーものは、時間経過に関係する背景設定を描くとかなり苦しくなりますね(やむを得ないところですが)。
 本来ならば、初代プリキュアはドキドキ!プリキュアよりも一〇歳年上にならねばならず、そうすると渚さんもほのかさんも、とっくに成人……。
 シリーズ的に一〇年の歴史があっても、プリキュアは全員同年代(若干、学年にばらつきはありますが)で同時に存在している筈なのに、そのパートナー達には厳然と上下関係──と云うほど厳しくはないものの──が存在していたのだった。

 まぁ、プリキュア同士にも経験の有無が先輩後輩の関係になって表れておりますが。
 前作では「私たち、ついこの間プリキュアになったばっかりで……」などと云っていたスマイル組でしたが、ドキドキ組が新たに追加されて妙に嬉しそうなところが笑えます。
 やよいちゃん(金元寿子)が「よーし。先輩、頑張っちゃうぞぉ」と張り切っておりますが、どう見てもキュアピースよりもキュアソードの方が落ち着いてるし、場数も踏んでいそうだし、上下関係が逆転しているように見受けられます。
 これは「優秀な後輩から慇懃な口調でアレコレ指図されてしまうダメな先輩の図」と云うヤツなのか。
 真琴(宮本佳那子)は容易くやよいちゃんをアゴでこき使いそうな……(イヤ、まこぴーはそんな黒い娘ではないデスヨ)。

 今までのオールスターズでは各シリーズの悪役が大同団結したり、新たな敵が飛来して危機を招来しておりましたが、今回は〈妖精学校〉と云う箱庭的な宇宙でのちょっとした騒動が描かれるだけです。スケール的には一番、小さなエピソードと申せましょう。
 本作での主役となるゲストキャラは〈妖精学校〉の落ちこぼれ生徒、グレル(愛河里花子)とエンエン(玉川砂記子)。
 プリキュアがもてはやされる〈妖精学校〉で妙に浮いてしまって、クラスに馴染めない腹いせに、ほとんど八つ当たり的に「プリキュアなんて変身しなければ、只の女の子じゃないか」と妬むあたりが未熟な妖精です。
 そこを〈影水晶〉なるダークなアイテムにつけ込まれ、拡大投影された自分自身の暗黒面にそそのかされてしまう。

 かくして「〈妖精学校〉でプリキュア・パーティを開きます」と云う偽の招待状をプリキュア達に送りつけ、のこのこと同窓会気分でやって来たところを片っ端から捕らえて水晶の中に封じ込めていく。
 これには〈妖精学校〉で使用されている「プリキュア教科書」が大いに役立っているワケですが、変身アイテムから必殺技、各自の性格、戦法まで記載されている優れものの教科書です(単なるファンブックのような気がしますが)。
 歴代悪役達にもコレがあれば良かったのにねえ。

 尺の都合から初代チームを倒した後は、アッと云う間にスマイル組まで順番を飛ばしてしまいます。中間のチームがヤラレる場面は容赦なく省略デス。
 多少、スマイル組は抵抗しますが、それでも分が悪いことに変わりなく、やっぱりやられてしまう。最後に残るのがドキドキ組。
 しかし新米であることが幸いし、プリキュア教科書には『ドキドキ!プリキュア』のことはまだ載っていなかったと云うオチには笑ってしまいました。早急な改訂版が必要です(と云うか、誰がこの教科書を書いているのだ)。

 プリキュア達を倒す度にどんどん強力になっていく自分自身の影にヤバいものを感じたときには、もはや手遅れ。学校どころか世界までも壊してしまおうと暴走する暗黒面を止める術はない。実に手堅い定番な展開です。
 改心したグレルはエンエンと共に、影が隠したプリキュアの変身アイテムを取り戻そうと頑張るところで、妖精同士の友情が語られ、なかなか泣かせるイイ話になってはいるのですが。
 やっぱり、ぬいぐるみキャラがアップになってばかりの画面は、メルヘンではありましょうが、ちょっと物足りない感じが拭いきれないです。いや、ムスメらは身を乗り出してスクリーンに釘付け状態なのだから、それでいいのか。でもパパ的にはツラい。

 グレルの決死の活躍でアイテムを取り戻し、全チームが復活したところで、増殖した影達との一大バトルに突入です。
 如何に敵が教科書を持っているとは云え、アンチョコ片手な敵に何度もやられるプリキュアではない。
 「私たちを倒す方法など、教科書には載っていませんッ」と、れいかさん(西村ちなみ)に一喝される。れいかさんが仰るのだから確かでしょう。

 しかし「敵が影である」ので、表現上はどんな形態にも変わることの出来る不定型な敵として描かれてしまい、前作にも登場したフュージョンと見た目があまり変わるところの無いように見えてしまうのが残念なところでした。
 なんか色が違うだけのような(手抜きとは云いたくないのですが……)。

 そんな戦闘シーンよりも、登場人物の心情を描くところが見どころですね。
 改心はしたものの、先生や級友達に会わせる顔がないと悩むグレルが、キュアパッション(小松由佳)とキュアビート(豊口めぐみ)に諭される場面があって、これはちょっと感心しました。
 二人ともかつてはプリキュアを散々苦しめてきた敵であるので、この二人から「過ちは正すことが出来るのだ」と語られると、他の誰に云われるより信憑性がありますね。
 パッションとビートのツーショットと云うのも珍しいカットでした。

 クライマックスは例によって例の如く、ピンチのプリキュア達をミラクルライトで応援すると云うイベントが入ります。劇場内のあちこちでピカピカと熱心にライトが振られております。
 「ジコチューは駄目ェェェッ!」と云うのは、実に明快なメッセージです。

 最後に、力を失った影をグレルが否定するのではなく、自分の心情を吐露して弱さを認めたときに、影が笑って消えていく演出であったのもいい感じデス。もともと〈影水晶〉とは己の弱さを克服する為のアイテムであったと云うところで、一件落着。
 いつかグレルも「プリキュアのパートナー」になれるのでしょうか。

 ところで『スマイルプリキュア!』に登場した禁断のスィーツ「納豆餃子飴」を、ドキドキ組のメンバーが食すると云うネタが序盤にありましたが、単なるネタでしか無かったのがちょっと不満です。てっきり伏線だと思っていたのに(どんな伏線だ)。

 エンドクレジットでは『ドキドキ!プリキュア』のED主題歌「この空の向こう」を三二名で歌って踊るロングバージョンなステージ場面が入ります。実に壮観デス。
 しかしそれでそのまま終わってしまうので、ちょっと拍子抜けではありました。
 あれ。次回の劇場版の告知とか、何もないの?
 いつもはクドいくらいに予告やナニかを流してくれるのに。一〇周年だから、いつもより派手な予告とか期待したのですが。静かにスパッと終わってしまうのが、逆にコワイです。




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