2015年3月22日日曜日

プリキュアオールスターズ

 春のカーニバル♪

 プリキュアも一〇周年を越え、劇場用映画も一八作目となり、歴代プリキュアのクロスオーバー作品としても七作目となるのが本作であります。まだ、何とかウチのムスメらも食いついてくれるので、パパとしては辛うじて観に行くことが出来ます。
 さすがに長女は今年から中学生なので「えー」とか難色を示しておりましたが、「妹が観たがっているから」と説き伏せて劇場へ。
 お姉ちゃんに「プリキュアが観たい」って云うんだ──と裏で指示してい(げふんげふん)。

 ついにプリキュアも一〇チーム総勢四〇人ですよ。アリババの盗賊団と並びました。AKB48と並ぶまでまであともう少し。いずれ『妖怪ウォッチ』のようにAKBが主題歌を……と思っていたら、本作の主題歌は何故か「モーニング娘。’15」でした。「フィフティーン」ではなく「ワンファイブ」か。大鉄人。
 まぁ、過去の劇場版でも Berryz工房がED主題歌を歌ったりもしておりましたからね。どうせならもう一度、 Berryz工房を呼んできてもいいのでは……とも思いましたが、つい最近、無期限の活動停止に入ったそうな。
 まぁ、私も Berryz工房の歌は「ギャグ100回分愛してください」しか存じませんのですが。

 さて、「オールスターズ」シリーズも七作目。前作『プリキュアオールスターズ NewStage3/永遠のともだち』(2014年)までで三部作が二つ完結しているので、また今回から新たなシリーズの突入になるのか。内容がガラリと変わるような予告ではありましたが……。
 結論から申し上げると、ストーリーよりも劇場版としての構成の方が大きく変わっておりました。まず、プリキュア応援グッズであるミラクルライトの配布が今年はありませんでした。代わりに配布されたのが変身ドレスアップキー。
 今年のミラクルライトはドレスアップキー型かぁ。あれ、光らないな……って、そもそも電池も何も仕込まれておらず、鑑賞中に使用する場面もありませんでした。
 これをどうしろと云うのだ。プリンセスパフュームを買わないと使えないのか。
 さすがにうちのムスメらは二人とも「プリンセスパフュームが欲しい」などと云い出す年齢ではないので、宝の持ち腐れであります。

 それとも、このドレスアップキーはアーケードゲームの筐体でも使用可能なのかと思いましたが、最近はプリキュア・データカードダスの筐体そのものを見かけなくなってしまいましたので、よく判りません(どうやら使えないらしい)。
 近所のトイザらスとかでも、見かけるのは『アイカツ!』と『プリパラ』ですよ(あとは『妖怪ウォッチ』ね)。プリキュアは駆逐されてしまったようです。

 今や、うちのムスメ(主に次女)は『プリパラ』のゲームにハマっていて、もう『アイカツ!』の方すら見向きもしない。当然、プリキュア・データカードダスのカードも用無し状態。うーむ。専用のバインダにどっさり溜め込んだのに、もう使えないのか……。代わりに『プリパラ』のカードが溜まりまくって、そっちの専用バインダを買わされました。
 やってることは着せ替えと単純なリズムゲームだし、どこが違うのかよく判りませぬ。アイドルを育成できるところや、友達とカードをやり取り出来るところに差異があるらしく、盛んに「ともチケ」なるカードの断片を友達と交換し合っている。パパにはよく判らないよ。

 よく判らないながらも、『プリキュア』のゲーム筐体が姿を消し、『プリパラ』の方に女児の行列が延びている状況を目にすると、とうとうプリキュアの人気にも陰りが見え始めたのかと気になるところです。
 どちらかと云うと、『プリパラ』の方は一人当たりのゲーム・プレイ時間が長いので行列が遅々として進まず、横で待っているパパとしてはプリキュアの方が良かったのにと思わざるを得ませぬ。

 それはそれとして。
 劇場で配布されるドレスアップキーは応援グッズではないので、本編前恒例の「使用上の注意」もありません。ちょっと寂しい。
 ストーリーの方は、毎度恒例ではありますが「とあるファンタジーな国へプリキュア達が出かけていき、困難に遭遇してこれを乗り越え、帰還する」と云うフォーマットに則った流れになっております。
 王道というのかワンパターンというのか(ネタギレとは云いたくない)、そこを変更しないのは良いとしても、本作は何と申しましょうか……。
 ぶっちゃけ内容が薄いデス。

 「春のカーニバル♪」と銘打つだけあって、歌とダンスが見どころとなるのはいいのですが、本作をミュージカルとは呼べないでしょう。歴代プリキュア達が歌い踊る華々しいミュージカル的内容を期待していたのに、ひどい肩透かしを食らいました。
 本作で使用される楽曲は全一三曲もあるのですが、新曲は三曲だけ。残りは全て今までのTVシリーズでの主題歌や挿入歌となっていて、聞き覚えのある曲ばかり。

 しかも──ここが一番の問題点なのですが──楽曲とストーリーがリンクしない。歌っている場面を全カットしても、ストーリーの理解には差し支えがない。
 本筋そのものは三〇分足らずで終わってしまうくらい短い上に(全体の尺も七四分ですし)、今回は演出がちょっとコミカルの方に傾いておりまして、泣かせるような展開にはなりません。
 ムスメらはそれなりに楽しんでいたようですが、パパとしてはちょっと退屈でありました。まさかそんな。この私がプリキュアの劇場版を観て退屈するなど、何かの間違いだろう……と云いたいところですが本当です。
 うーむ。新シリーズがこんな調子なら、次からは無理してムスメらを焚きつけて観に来なくてもいいやと、パパの心が先に折れてしまいそうです。

 本作の舞台となるのはハルモニアと呼ばれる、歌とダンスが盛んな国であります(メイジャーランドではないのか)。そこで毎年、国の守護神に歌を捧げるお祭りがある。今年は各プリキュア達に、カーニバルへの招待状が届くと云う導入部。
 しかし招待状を発送したところで、悪党達がハルモニアの王宮を制圧。あっさりと国王夫妻は囚われの身に。
 素晴らしく簡単に制圧されてしまいましたが、招待状を発送した後だったので、間もなくプリキュア達が到着してしまう。伝説の戦士が団体様でやって来ては、せっかくの悪事も水の泡。
 かくなる上は形だけでもカーニバルを催し、プリキュアの目を欺こう。

 本作で登場する悪党は二人組の盗賊コンビ、オドレンとウタエン。声を演じているのは、お笑い芸人の〈オリエンタルラジオ〉です。オドレンが中田敦彦で、ウタエンが藤森慎吾。
 うーむ。プリキュアはたまにこんな配役をしますが、個人的にはあまり好きではありませんデス。以前も『YES! プリキュア5』の劇場版で、〈ザ・たっち〉が出演しておりましたが、子供にはウケるのでしょうか。大人の事情は大人には面白くないです。
 『ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』(2014年)にも、船橋市非公認のゆるキャラ〈ふなっしー〉が登場しておりました。でも時事ネタがウケるのは一時だけだと思うのですがねぇ。
 まぁ、本人役よりはマシか。以前、TVシリーズに〈オードリー〉が本人役のまま登場したときはノケゾリました(ある意味、アレは伝説のエピソードはある)。

 ハルモニアの大臣と偽ってプリキュア達をもてなし、カーニバルに参加させようとする二人組。自分達では歌やダンスを用意できないので、プリキュア達に代わりに歌って踊らせようと云う計略です。その隙にプリキュア達から変身アイテムを奪ってしまえば、もはや恐るるに足らず──と云う作戦は、それなりに頭を使っておりますが、以前の劇場版でもあったネタですね。
 問題は、快く引き受けたプリキュア達が自前の歌とダンスを披露する場面が、まるっきりプロモーションビデオ(以下、PV)であるところでしょう。次から次へ、各プリキュアのチームが自分達の主題歌やら、挿入歌を歌っていくのはいいけれど、単なるPVの羅列は勘弁して戴きたいデス。
 何曲かは新しく振付したりしておりますが、全体的に「歌って踊る場面はCG」でありますので、本編とビミョーに絵柄が異なるのも違和感を感じるところです。
 曲の間に、各シリーズのキャラクター達の「その後の様子」などがイメージ映像的に挿入されますが、台詞はありません。懐かしいキャラも散見されますが、本筋には無関係。

 実は一番、ストーリーとリンクしているのは、オドレンとウタエンが自己紹介的に歌う新曲「オドレン・ウタエン盗賊伝」でありましょう。〈オリエンタルラジオ〉が結構、頑張って歌っておりますが、作画の方がバンクを使い回すので、イマイチ安直な印象を受けてしまいます。
 もうちょっとストーリーの進行に合わせて、歌曲が散りばめられる構成であれば、少しは何となかったかも知れないものを。
 しかも全体的にカーニバルと云うよりも、単なる歌謡番組的なイメージになってしまっているのが残念すぎる。一曲終わる毎にオドレンがプリキュア達にインタビューすると云うのも、かなり単調な演出と云わざるを得ません。ひな壇にプリキュア達が並んで座っている図も、バラエティ番組な構図ですよね。

 本作の監督は志水淳児で、脚本は井上美緒なので、まったくシリーズを知らないわけでもなかろうに。特に、志水監督は劇場版だけでもマックスハート時代から五作は監督している人だと云うのに、この残念な構成は何としたことか。
 個人的にはサッパリ盛り上がりませんでした。もっとこう、くるくる回って「カーニバルだよ!」的に楽しい展開になるのを期待しておったのですが。単なる歌番組の収録を見せられただけとは。
 各チームに必ず一曲歌わせるという縛りがストーリーを圧迫しているようです。それならそれで、曲数を減らす代わりに、大勢が一度に歌う新曲を用意すればいいものを。それは予算が許さないのか。

 一応、変身アイテムを奪うためにパートナーの妖精達を拉致監禁していく展開が歌曲の合間に挿入されていきますが、あまりサスペンスを盛り上げるわけでもない。
 オドレンとウタエンも「国を丸ごと盗む」と豪語している割に、企む悪事の全貌が見えませんです。しかも割と簡単に小手先の企みが露見し、正体がバレてしまう。
 PVの羅列が終われば、あとは仕掛けられた罠をあっさりと脱出し、囚われた国王夫妻を救出するだけで、最大の危機はそのあとにやってくる。

 カーニバルが中断され(最初から偽のカーニバルだったわけですが)、供物である歌が無いことに怒り狂った守護神が現れる。実は守護神とは巨大なドラゴンであり、毎年歌を聴かせていないと暴れ出すのであった。いやそれ、守り神でも何でもないような。荒神とか荒魂の類なのかな。
 とにかく荒ぶるドラゴンを鎮めるためにプリキュア達が全力で立ち向かうというクライマックス。キュアフローラが劇場版仕様の「モードエレガント・プリマヴェーラ」に進化しますが、ミラクルライトの応援もないまま変身しちゃっていいのか。
 ドラゴンを鎮め、危機を回避し、改めて歌と踊りのカーニバルを催しましょうとなるハッピーエンド。しかし劇場版一八作の中で、一番盛り上がらないクライマックスでした。特に感情移入できるキャラが一人も居なかったというのが致命的か。
 そりゃね、総勢四〇人ものプリキュアが踊るモーションキャプチャは素晴らしく美しいです。そこだけは。

 一応、冒頭にハルハル(嶋村侑)が次の音楽の授業で歌わねばならないことを気にしており、冒険から帰った後は、人前で歌うことが怖くなくなったと云うオチがついてまとめられておりますが、TVシリーズのエピソードでも差し支えないですねえ。
 しかもエンドクレジットに実写映像を挿入するのも、新たな試みでしょうが違和感ありました。やはり「モーニング娘。’15」の映像を入れないとイカンのか。ついでに各地のイベントで「ドリーミング☆プリンセスプリキュア」を踊るお子様の映像も入りますけど、スーパー戦隊シリーズのエンディングと同じ事をしてますね。
 どうにもネガティブなことばかり書き連ねておりますが、次の劇場版では持ち直して戴きたいデス。




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