2012年8月4日土曜日

仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE

みんなで宇宙キターッ!

 毎年恒例の夏のライダー映画です。スーパー戦隊映画と二本立てなのもいつもの通り。
 例によって例のごとくムスメらを連れて観に行ったワケですが、今年はどうも勝手が違う。昨年のオーズや、一昨年のダブルのように熱心ではない。
 姉妹の内、妹(七歳)は変わりなく熱烈ですが、お姉ちゃん(九歳)の方はなんかビミョー。
 「ゴーバスターズの映画は観たいけど、フォーゼは……」と渋っている。これはどうしたことだ。どうせ観るんだろうとフライングで親子ペア・チケットと特典まで入手しているのに、今更イヤと云われましても(汗)。

 年齢的に遂に特撮番組を「卒業」するときがキターッ、と云うワケでも無さそうです。ゴーバスターズには相変わらず肯定的だしな。否定的なのはフォーゼに対してだけ。
 してみると作年末の『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦』(2011年)もオーズが一緒だからOKだったし、今年の『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』(2012年)もゴーカイジャーやゴーバスターズが一緒だから文句は出なかったのか(でも日曜朝のスーパーヒーロータイムは最後まで観ているくせに)。
 フォーゼ単体だけに否定的とは……。

 「だってフォーゼ、ドジなんだもん」

 え。そうなの?
 あまりにコミカルなテイストがお姉ちゃんの嗜好には合わなかったのか。熱血学園ドラマなのも、女の子向きとは云い難いか(いや、そもそも女の子が特撮番組好きなのが特殊なのか)。
 だから割とシリアス路線なゴーバスターズの方は「カッコいい」と好評なのです(いや、ゴーバスターズも相当にギャグな演出も見受けられるんですケド)。
 でも、もう片方のムスメは「ぜったい、みるーっ」と譲らないので、不安を抱えつつ二人を連れて劇場に赴いたワケです。

【特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE 東京エネタワーを守れ!】

 こちらが先の上映だったので、最初のうちは良かった。
 劇場版用に登場したバスターマシンもムスメらにウケておりました。カエルですけど。
 エンター(陣内将)が新たに作りだしたメタウイルス「錆びる」の所為でバディロイドが錆びまくり、バスターマシンが出撃不能になるというピンチ(これも結構、ギャグなんですけどねえ)。
 劇場版らしくスケール大きく、エンターの仕掛けたエネトロン大量転送計画が阻止できなければ首都圏が丸ごと亜空間に転送されてしまう(山の線の内側くらいは消えてしまうのか)という危機。

 カエルのバディロイド〈エネたん〉の声が辻希美でした。可愛いアニメ声だから誰かと思いました。元〈モーニング娘。〉がこんなところに(笑)。
 TVシリーズで準レギュラー化はしないんですかね。是非、お願いしたい。

 本作ではスカイツリーなんぞ完璧に無視されており(画面にさっぱり映らない)、あえて東京タワーが重要施設として描かれております。
 東京タワー全面協力の元で撮影されたと云う巨大ロボ同士の戦闘は、なんか昔懐かしい特撮映画へのオマージュが感じられます。これはパパ世代へのサービスなのか。
 監督もTVシリーズと同じく柴崎貴行ですし、尺も短いので番外編を観ているようでしたが、ムスメらは満足しておりました。
 へし折っちゃった東京タワーを修理しているエンディングもムスメらには受けてました。

【仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!】

 問題なのはこっちです。始まった途端のお姉ちゃんのイヤそうな顔が非常に不安でした。
 冒頭で財団Xにホロスコープス・スイッチ十二個を納品しようとする我望理事長(鶴見辰吾)。TVシリーズの方はまだ最後の〈ピスケス・スイッチ〉が登場したところなのに(公開初日当時)、若干先行しているのか。しかしスイッチが一式、出来上がったら納品すると云うのも……。理事長には他にやりたいことがあったのでは。
 突然、謎の勢力が現れ取引現場を強襲。初っ端から派手なアクションが展開します。

 本作の監督もまたTVシリーズと同じく坂本浩一、脚本も同じく中島かずきです。
 ムスメが端から否定的であるので、こちらもそれに影響されたのか、確かに序盤から派手な戦闘シーンでガンガン飛ばしているのは判るのですが、物語の展開がどうにも単調に感じられました。
 多分、純粋に爆発シーンとか、カーチェイスが好きでないと付いていけないような気がします。下のムスメが大丈夫そうに見えるのは、ひょっとして爆発が好きなのか。

 劇場版だけの新たな敵が登場し、主人公達がそれと戦っている間はTVシリーズの敵は静観を決め込むというのも、定番の展開です(共闘してもいいが今回はそれはなし)。
 しかし国際的な組織が衛星兵器を破壊する任務を、一介の高校生達に依頼するという展開にかなり無理を感じました。どうにも今回は、スケールを大きくしようとして設定に支障を来しているのではないか。
 仮面ライダー部のメンバーが横一列になって歩いてくる場面は、さながら『アルマゲドン』(1998年)のような趣でありましたが、小さなお友達にそんなことは判らないのではないか。
 いや、そもそも依頼を受けてからJAXAで宇宙飛行士の訓練を受けるというのも悠長すぎるし、なんか本作は時間の経過がヘンですよ。

 過去の東映特撮番組の資産を活用するという昨今の流行りは否定いたしませぬが、時々やり過ぎて、あまりにも子供達より親の方にサービスしようとしているように感じられるのは如何なものか。
 今回の敵は宇宙鉄人キョーダイン。うわ、懐かしっ。でもそこまでするなら堀江美都子のカメオ出演もお願いしたかった。
 でもフォーゼって、外見のデザインからしてキョーダイン(スカイゼルの方ね)なんですけど、両者が戦うのですか(元ネタと戦うのか)。それは仮面ライダーダブルが人造人間キカイダーと戦う図と同じなのでは(それはそれで観てみたい)。
 おまけに本作でのキョーダインは悪役ですよ。なんか設定もビミョーに異なり、スカイゼル(兄)とグランゼル(弟)の兄弟では無く、スカイダイン(妹)とグライダイン(兄)という兄妹になっている。名前もちょっと違うし。
 これでは『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』(2012年)のように過去ヒーローの復権に繋がったりしないと思うのデスが(まぁ、キョーダインをリメイクすることは無いのか)。

 実はゲスト・キャラはキョーダインだけかと思っていたので、肝心の衛星兵器とそれを制御する人工知能までゲストであったという展開には意表を突かれました。
 そうか。だから「俺は衛星兵器とも友達になる男だぜ」と云う弦太朗(福士蒼汰)の台詞に繋がるのか。
 「XVII (えっくす・ぶい・つー)」と云うネーミングで気付くべきでした。画面にローマ数字の表記が映って、初めて気が付きました。迂闊な。
 完全CGで描かれた衛星兵器──と云うか、大鉄人ね──の勇姿はなかなか迫力ありましたが、こんなにバカでかい衛星を打ち上げる技術なんてあるのかとか、衛星に変型機能を付けてどうするつもりだったのかとか、ツッコミ処がありすぎて、どこからツッ込んでいいのやら判りません。

 衛星軌道上の戦いから、いきなり月面にまでひょいと移動するし。お祭り映画でありますからツッ込むだけ野暮なのは承知の上でありますが、それにしても本作はいつにも増してツッコミ処が多すぎる気がします。
 作りがいい加減だとは云いたくありませぬが、あまり全体を考慮しているとも云い難いのでは。個々のCGを駆使したアクション・シーンは実に見事なんですけどねえ。
 背景に首都圏外郭放水路が出たときも、ちょっと笑ってしまいました。確かに印象的な背景ですからロケ地に選定するのは問題ないと思いますが、「衛星の中に入ったら外郭放水路だった」という流れはどうなんでしょね。お子様はスルーしてくれても、大人は失笑してしまうのでは(しちゃった)。
 その上、戦闘に次ぐ戦闘という展開の所為か、隣に座ったお姉ちゃんのツマラナサソーな顔が実にイタい。妹の方はニコニコと観てくれているのに(汗)。

 唯一、恒例の助っ人として、次の新ライダーが登場してくれたときだけが救いでした。
 ありがとう、ウィザード!
 「ちょっとお節介な魔法遣いサ」と云うなかなか洒落っ気のあるヒーローのようですが、もはやライダーではない(まぁ、平成ライダーは皆そうですが)。
 「面白そうだな。よし、俺も今日から仮面ライダーウィザードだ!」と云う、軽いノリでライダーを名乗っていいのか。
 いい、許す。もうムスメが気に入ってくれたから、何でも許す。出来ればそのまま、映画の最後までフォーゼと一緒に活躍してもらいたかった。キミがいなくなった途端に、またムスメのテンションがグダグダに下がってしまった(泣)。

 もはや四〇個のスイッチの同時押しで変身する究極ステイツとか、メテオのスイッチまで使ったメテオフュージョン・ステイツでも、お姉ちゃんのテンションは戻りませんでした。
 劇場を後にして一言、「……つまんない」と呟かれるのはパパとしてツラいわー。妹の方がニコニコなのだけが救いでした。
 しかし二人揃って、もはやウィザードしか記憶に残っていないような感じです。いやはや、そんなにフォーゼはダメなのか。と云うか、女の子は魔法遣いが好きなんですねえ。




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