2012年4月28日土曜日

仮面ライダー×スーパー戦隊
 スーパーヒーロー大戦

(SUPER HERO TAISEN)

 最近はもう、日米を問わずスーパーヒーロー作品はクロスオーバーしまくりのようで、やはり受けるんですねえ。マーベルコミックスの映画化作品も遂に『アベンジャーズ』が本国で公開されましたが(でも日本公開は八月か。遅いヨ!)、東映の方も負けずにやってくれます(予算のケタに悲しいほどの格差があるような気がしますが)。
 「オールライダーもの」に続いて、「オール戦隊もの」と来て、更に今度は「オールライダー&オール戦隊」と来たか。もうこれ以上は無いか。いや、まだ「オール宇宙刑事」とか「オール・メタルヒーロー」な路線とのコラボが残っているような気もしますが……。

 マルチ・ユニバースな世界観が導入された東映ヒーローものの世界の中で、〈ライダー界〉と〈戦隊界〉が激突し、互いの存在をかけて争いあう。なんか壮大ですな。
 〈ライダー界〉を守ろうとしているのは仮面ライダーディケイド。〈戦隊界〉を守ろうとしているのは海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイレッド。但し、お互いに自分達の世界に於いて、今まで戦ってきた悪の組織を牛耳っての戦いになるので、なんか双方共に悪者ぽい(笑)。
 まぁ、片や「世界の破壊者」、こなた「宇宙海賊」ですから。ディケイドは大ショッカーの首領となって戦隊狩りに邁進し、ゴーカイレッドは大ザンギャック帝国の皇帝の座についてライダー狩りを始めるという展開。
 配下には各々、今まで倒した怪人共が勢ぞろい。再生怪人という設定は実に便利です。

 それにしても再生怪人としてワルズギル殿下もちゃんと甦ってくれたのは嬉しいが、マーベラス(小澤亮太)に上から目線で説教される図というのは見たくなかった(泣)。
 ちゃんとセリフがあるだけマシというものか。
 このあたりの、どの怪人をクローズアップするかという取捨選択にスタッフの偏った好みが現れています。ジェネラル・シャドウは皆勤賞ですねぇ。ブレドランにも少しだけ出番があったし。

 それはさておき、そもそもの始まりはスッ飛ばして、冒頭から問答無用にトバしてくれます。栄光の七人ライダーを相手に、単身で挑むゴーカイレッドがアッと云う間に七人ライダーを葬り去る。
 まさかそんな。初代1号からストロンガーまでが束になってゴーカイレッド一人に敵わないとは、パパ世代としては文句ありありな展開ですわ。
 でも隣の席で観ているムスメらは涼しい顔。「ゴーカイレッドが強いのは当たり前よ、パパ」みたいな顔をしているのが余計に癪に障ります。ぬう。1号、2号、V3を愚弄するか。

 まぁね、尺が足りないのは判りますよ。サクサク進めないと終わらないですからね。
 こんな壮大な設定を九〇分弱の尺に納めなきゃならんと云うのが至難の業であって、そもそも無茶なハナシなのですが。
 と云うか、最初から物語が破綻しまくっているのですが、整合性など知ったことかと云わんがばかりです。ツッコミ処満載なのは承知の上という姿勢。
 とにかく全てのライダーと全てのスーパー戦隊を登場させるのが至上命令なので、その為には説明不足でも矛盾があってもキニシナイ。気にしちゃダメ。
 大らかな気持ちで鑑賞しましょう。お祭り映画なんだから。

 この時点で既にかなりのライダー、戦隊が互いに倒されているという設定なので、登場するのは残った僅かなライダーと戦隊のみ。
 ちゃんと登場するのは、仮面ライダーディケイド以下、フォーゼ、オーズ、電王のみ。スーパー戦隊もゴーカイジャーの他はゴーバスターズ、ゴセイジャーくらいしかおりません。近年の番組ばかりですが、そこは大人の事情というやつでスルーしましょう。

 争いあうディケイドとゴーカイレッドを止めようとして、その原因を探るのが仮面ライダーディエンドとゴーカイブルー。実はこちらの方が本作の主役だったのです。
 加えてオーズの世界からは泉比奈がメンバーに加わっている。何とも異色な顔合わせです。
 ゴーカイガレオンの船室に、海東大樹(戸谷公人)とジョー・ギブケン(山田裕貴)と比奈ちゃん(高田里穂)がいる。不思議な光景ですなあ。
 全体としては、本作は海東くんとジョーの友情物語という図式になるようです。

 アカレンジャーだけが知っているという争いの原因を聞き出すべく、ディケイドに倒される前の時間のアカレンジャーに会おうとする。タイムトラベルとくれば、呼び出されるのが電ライナー。
 海東くんはモモタロス達と顔見知りという、以前の劇場版スピンオフ作品での設定まで利用している。脚本家の苦労が偲ばれます。
 ゴーカイガレオンと並ぶ電ライナーの図というのも面白い組み合わせです。

 電ライナーで一路、一九七六年を目指す御一行様。ここでオーナー(石丸謙二郎)が不思議なことに言及してくれます。「ライダーの枠が無くならなければ、戦隊の枠は誕生しなかった」旨のメタな発言。小さなお友達には意味不明でしょう(笑)。
 しかも「枠」については、この場限りで伏線でも何でも無い。観客をミスリードする役にも立っていない気がするのですが……。これもスルーか。

 枯木も山の賑わい的にチラ見せ登場する野球仮面(あれ、永井一郎じゃないッ!)を倒すアカレンジャーと出会い、そのまま現代に帰還する電ライナー。
 そして倒された筈の仮面ライダー1号とアカレンジャーが戦う図という、オールドファン向けのサービスシーンがあるのですが、もはや矛盾がどうこうツッ込むのも野暮と云うものか。
 苦労して過去から連れてきたアカレンジャーが、「実は私はアカレンジャーではない!」と云い放ち、ゴーカイレッドの変身であったことを明かす。いつの間に時間を遡って先回りしたのか、説明は無い。
 負けずに初代1号も「実は──(以下略)」と、正体を現してみればディケイドの変身した姿。
 もうなんかいちいちツッ込むのも躊躇われる怒濤の展開。

 ファンが観たかったであろう光景を、とにかく見せてあげようと云うサービス精神に溢れた映画ではありますけどねえ。
 そして全てのライダー、全ての戦隊が互いに倒され──只一人、ドン・ドッコイヤー(清水一希)が残っていたのに無視されてる(泣)──、ディケイドとゴーカイレッドが力尽きたところで種明かし。
 すべては悪の組織の計略であり、ヒーローがいなくなった世界で、これからは大ショッカーと大ザンギャックが大同団結して世界征服に邁進するのである、と。
 お互いの旗艦、クライス要塞とギガントホースを合体させるビッグマシン計画の一環だったのだぁ。
 ディケイドに顎で使われていたドクトルGが勝ち誇る。
 ちゃんとドクトルGの独特の言い回し「仮面ラあぁぁぁイダ」も忘れず再現されています。
 物語は破綻しまくっているのに、細かい部分で旧作に忠実というのもヘンですねえ。

 すると逆にディケイドとゴーカイレッドも不敵に笑い返すのがお約束。
 ドクトルGの陰謀なんぞは端から承知の上よ。実はこちらも倒したライダーと戦隊メンバーを時空の狭間に匿っており、倒されたと見せかけていただけなのだあッ。敵を欺くにはまず味方から作戦。どうだ驚いたか。いや全然。もう何をか云わんや。

 次元の壁を越えて遂に集結する全ライダー、全スーパー戦隊。総勢……ええと……二四〇名?(もうどうでもいいか)。まぁカラフルですこと。もはや誰が誰やら。
 クライマックスの大激突シーンは壮観すぎて、誰が誰と戦っているのか、よく判りません。これはDVDでスロー再生しながら細かく観ていけば面白いのかも知れませんが、劇場で観ているともうカオスです。
 ところどころで、仮面ライダーブラックがシャドームーンと戦っていたり、サービス的なカットが幾つか入ります。戦闘そっちのけでウラタロスがゲキイエローをナンパしていたり。

 ワルズギルとアクドスギルが親子で巨大化すれば、これをゴーバスターオーで迎え撃つ。
 オーズのメダルをレンジャーキーに変換すれば、ゴーカイジャーが全員オーズのコンボ状態になってガレオンバスターを発射するわ、ゴセイジャーの天装カードを使ってカード使いのライダー達(ディケイド、ブレイド、龍騎)が技を放つわ、もうクロスオーバーな技の応酬が凄いデス。
 極めつけは、フォーゼが乗り込んだゴーバスターオーが、コズミックエナジーでロケットとドリルを装着するという……。いやもう、理屈なんか知ったことかです。

 色々ありましたがライダーとスーパー戦隊の熱い友情が敵を撃破し、平和が戻る。
 やられてしまったドクトルGの正体は……。ありゃ、また鳴滝さん(奥田達士)か。
 「おのれ、ディケイド!」と、捨てぜりふを残して次元の彼方に逃亡する鳴滝さん。この人がいる限り、クロスオーバー作品は終わりそうにありませんなあ。

 ラストはゴーカイジャーとオーズ、フォーゼとゴーバスターズが親交を深め、海東くんくんとジョーの間にも、なんか絆(のようなもの)が結ばれる。
 豪華メンバーが集まって歌う主題歌「情熱 We are Brothers 」を熱く歌ってエンドクレジット。
 では次回は夏休みの劇場版で会いましょう──と、盛大に予告を流しておしまいです。

● 余談
 うちのムスメらはそれなりに楽しんでくれたようですが……。
 「パパ、次は『スーパーヒーローたいへん』が観たいわ」
 え。あのネットで配信しているパロディ企画ですか。観たいの? 有料なんですケド……。




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