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2011年12月10日土曜日

仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ

MOVIE大戦 MEGA MAX

 年末恒例『仮面ライダー×仮面ライダー MOVIE大戦』も三作目。
 このシリーズは夏のライダー映画のような一本の物語では無く、各ライダーの複数の物語が単独で進行しながら、途中から合流していくというのが基本のフォーマットなのですね。
 本作ではまず「オーズの章」、次いで「フォーゼの章」となり、最終的に「フォーゼ&オーズ」のタッグで最終決戦を迎えるという流れですが、序盤と幕間に「ダブルの章」が挿入されているのが面白いです。
 結果的に「フォーゼ&オーズ&ダブル」の映画になってしまうのですが、タイトルが長くなり過ぎますか。
 最近はTVシリーズが終了しても劇場版があるから、俳優さん達もまだまだ続投が続くようで、ファンとしては楽しいデス。クロスオーバー企画はやはり人気あるんですねえ。
 うちのムスメ達も「フォーゼ、オーズ、ダブル」と三人が揃い踏みする場面を何度となくCMで観ては、「行くのー。これ観るのー」とリクエストしまくりでしたからな。キミ達、プリキュアよりもライダーの方が好きなのか?

 今年はライダー生誕四〇周年。春のお祭り映画『レッツゴー仮面ライダー』は四〇年前にタイムトラベルするという物語でしたが、今回はその逆。四〇年先の未来からライダーがやって来るという物語。
 おお、時空を越えるという設定なのに、遂に電王の出番は無いのか。
 その代わり本作では、直近三作の設定を融合させて新しい物語を作っています。そうか、もう「大ショッカー」は壊滅しちゃったのねえ。
 大ショッカーに代わって世界的陰謀を企んでいるのが、財団X。ガイアメモリも、コアメダルも、ゾディアックスイッチも、みーんな此奴らが資金を提供して開発させていたのだという設定。便利な組織だなあ。その豊富な資金力はどこから来るのであろうか。

 事の発端は、謎の隕石群。
 隕石落下の影響で時空に歪みが生じ、まず登場するのは未来のライダー「仮面ライダーポセイドン」。隕石調査に来ていた鴻上ファウンデーションの調査隊の皆さんが襲われるワケですが、どうも鴻上さんの調査隊は、冒頭で毎回災難に遭うのがパターンになったようデスね。
 新たなコアメダル「サメ、クジラ、オオカミウオ」の三枚で変身しているライダーですが、凶暴なライダーですね。特に目的らしい目的も無いようで、「強い奴を倒しに行く」と云う、なんだか「どこのストリートファイターだ、お前は」とツッコミたくなるような人デス。

 更にポセイドンはメダルが暴走した状態であり、正気を取り戻した未来の仮面ライダーはアクアという別のライダーでした。なんか色々、新ライダーが出てきますねえ。
 「彼もまた同じライダーなら、俺はその手を掴みたい!」と云う、映司くんの行動原理が変わっていない点が良いです。
 消滅した筈のアンク(三浦涼介)も登場してくれます(理由はラストで明らかに)が、今回のアンクは姿を変えて映司くんの影武者を務めたりもします。ここは渡部秀の一人二役という、なかなか面白いシチュエーションでした。

 一方、天ノ川学園では学園祭もたけなわ。仮面ライダー部のアホな演しものも盛況ですが、「女の子が降ってくる」と云う設定に笑いました。何のパロディだ。ジブリか?
 「彼女キター!」
 とうとうフォーゼもリア充の仲間入りか……と思いきや、女の子(真野恵里菜)は人間じゃなかった。しかし人間じゃない彼女を欲しがる人達の方が、昨今は多いのだろうから、これはこれでOKなのでは。むしろそっちの方が良いデスか。
 まぁ、「仮面ライダーナデシコ」ってのは、直球すぎる気もしますが。
 女子サッカー〈ナデシコジャパン〉がW杯で優勝した途端に、ライダーにもナデシコ登場か。あまりにも判りやすいが、いいのかそれで。時事ネタはすぐに風化するぞ。

 この二つの物語をつなぐのが、ダブルという趣向。探偵だと事件に絡みやすいですね。
 ダブルとフォーゼの初顔合わせの場面がなかなか微笑ましい。
 翔太郎と弦太朗。「暑苦しいリーゼントだな」と云いながら、意気投合してますヨ?
 やはり体育会系のコミュニケーションは言語じゃないのね(笑)。

 そして財団Xは「未来のコアメダル」と「隕石から抽出したコズミックエナジー」の両方を手中に収め、強大なパワーを我が物にしようとしていたのであった。
 と云うところで登場する新たな財団幹部カンナギ(益岡徹)。「これで私は銀河の王となるのだ」と希有壮大な野望を口にしてくれる、実に悪役らしい悪役です。でも見た目と野望のスケールにギャップがありすぎと感じるのは私だけなのかな?
 特に自ら〈超銀河王〉と名乗るのは、如何なものか。
 カンナギの配下に白戸家のお兄ちゃん(ダンテ・カーヴァー)がいて、これはこれで笑えました。天ノ川学園の我望理事長(鶴見辰吾)も登場してくれますが、今回は顔見せだけ。
 顔見せだけなのは側近のゾディアーツも同じで、レオとヴァルゴもTVシリーズに先行してチラ見せ登場。うーむ。もうちょっと出番が欲しいところです。
 代わりにダンテ兄さんが中ボスとして、暴れてくれますが。

 今回はゾディアーツの他に、グリードやらドーパントやらも大挙登場するワケですが、再生怪人が多いですねえ。
 数が多いので、ダブルやオーズのフォーム・チェンジもたっぷり堪能できます。もう次から次へと早変わりしながらの戦闘は、各ライダーの主題歌もガンガン流して、劇場版ならではの大盤振る舞い。
 そんなにコンボを連発して映司くんの身体は大丈夫なのか──と云う心配はスルーです。
 加えて「栄光の七人ライダー」まで登場しますが……。
 昭和ライダーの中から七人。1号、2号、V3、ライダーマン、アマゾン、X、ストロンガー。
 残りはどうした。かつては「七人ライダー」と云う設定もありましたが、今やそれ以上に沢山いるだろうに──と、訝しく思っておりました。
 実はカンナギの奸計により七人ライダーは捕らえられ、四個のアストロスイッチと三個のコアメダルに還元されていたのであった。
 なるほどフォーゼとオーズのベルトにあるスロットの数で決められていたのかッ──って、そんな理由でスーパー1やブラックは削られたのかよう(汗)。

 まぁ、色々ありましてオーズの「スーパー・タトバコンボ」と、フォーゼの「ロケットステイツ」で超銀河王を倒してめでたしめでたし。
 だが財団Xの陰謀は今後も続くのだった……。
 しかしですね。財団Xよりも、鴻上ファウンデーションの方を何とかすべきなのでは。
 アノ問題な会長をどうにか出来れば、将来的にトラブルの半分以上は解消できるような気もするのですがねえ(今回の事件も半分は鴻上会長の責任なのでは?)。

 ところで噂されていた新ライダーてのは、ポセイドン、アクア、ナデシコのことだったのか……と思っていたら、最後の最後で仮面ライダーメテオがチラ見せ登場。
 メテオの活躍は今後のTVシリーズで。乞う御期待。えーっ、出番それだけ?

 まぁ、うちのムスメ達は楽しんでくれたみたいだから良しとするか。でもなんかお姉ちゃん(八歳)の方が不満顔です。どうしたのだ。妹(六歳)の方はニコニコしているのに。

 「大っきな怪獣が出てこなかった。小さいのばっかりじゃ詰まんない」

 つまり今までの劇場版でやったような、キングダークとか、岩石大首領とか、コアメダルの暴走で巨大異形化したような敵を、大勢のライダー達が「力を合わせて皆で倒す」パターンがお気に入りらしい。はぁ、そう云えば今回はソレは無かったねえ。各ライダーの個人技が次々に披露されるという見せ場の連続ではありましたが。
 そうか。超銀河王が巨大化しなかったのがマズかったのか。尺の都合か。CGの予算か。
 しかし、ソレ一点だけ挙げて作品全体を断じるのも如何なものかと思うのですが、お子様にとってはクライマックスが全てなのですかね(でも中盤の学園祭の場面では、結構喜んでいたハズなんですけど)。
 そんなワケですので東映様、次回の劇場版ではクライマックス描写を御一考下さいませ。よろしくお願いいたします。


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