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2011年11月17日木曜日

機動戦士ガンダムUC

 episode 4 「重力の井戸の底で」

 恒例のイベント上映も第四話となりましたが、いつになく劇場が混雑しているのはどういうワケか。平日の昼間から毎回、満員御礼。おかげで当日券を購入して観賞することを断念し、シネコンの窓口で三日後の座席を予約してから再度、劇場に足を運ぶと、その日もまた毎回が満員御礼状態という盛況ぶりでした。一体、どうなっておるのだ。
 やはり画質のクォリティは折り紙付きですし、音質も良いので、劇場鑑賞したくなるものなのでしょうか。ネットのレンタルで済ますよりも、劇場で観るべきだと思いますが、それにしてもいきなり観客動員数が跳ね上がり過ぎですよ。

 今回は前作 『episode 3 「ラプラスの亡霊」』 の続きで、大気圏突入後からの展開です。
 低軌道上での戦闘から、なし崩しに大気圏突入をやらかし、それからどうなるのかと思っていたら……。
 ユニコーンはアフリカの砂漠に不時着した〈ガランシェール〉の格納庫にいつの間にやら収まっている。大気圏突入のドサクサに紛れて、ユニコーンにしがみつかれ、やむなく収容したことが乗組員のセリフから伺える。
 だからバナージはネオジオンの捕虜になっている。
 それにしてもユニコーン・ガンダムには大気圏突入機能は付いていないのか。ちょっと意外でした。
 初代ガンダムは堂々と大気圏突入できたのに。やはりあまりリアルでないから、設定変更されたんですかね。
 個人的には『Zガンダム』で採用されたバリュート装備での大気圏突入が好きなんですが、そういう描写はありませんでした。ちょっと残念。

 砂丘に船首が突っ込み、再度飛び立つにはクレーンで〈ガランシェール〉を立て直さねばならない。それもこれもガンダムを収容したことでバランスを崩すか、船体重量がいきなり増量になったことが原因らしく、パイロットが文句垂れるのも判ります。
 バナージの捕虜としての扱いがぞんざいになるのも無理からぬことですね。
 かくしてジンネマン艦長と共にバナージは、地上のネオジオン残党に救助を求めるべく、四日間の砂漠越えに駆り出されることに。
 前半の見せ場は、バナージとジンネマン艦長の砂漠越えの場面でしょうか。
 未熟な若者と百戦錬磨のオヤジのコンビが、敵味方の関係を越えて旅をするというのがいい感じデス。
 原作をまったく読まずに観ているので、ファースト・ガンダムをなぞっていく展開になるのであれば、ここでバナージが「ランバ・ラルっぽい人に出会う」のであろうと思っていましたが、それがジンネマン艦長でしたか。確かにオヤジだし、条件には合う。

 それにしてもネオジオンの残党ってのはあちこちに拠点を持っているのですね。
 なんか装備も充実しているみたいだし。
 中には「ネオジオンの残党」では無くて「デラーズ・フリートの残党」とか、更に年季の入った「旧ジオン軍の残党」みたいな人達もいるし、一体いつから地球に潜伏していたものやら。もう残党としての年季が入りすぎているような気もします(笑)。
 こういうのを地球連邦軍は取り締まれないのか。
 まぁ、所詮は連邦のやることだし、取締もザルなんでしょう。
 色々とスペースノイド側からの密かな援助というのもあるらしいとか、一年戦争当時から巨大企業が裏で暗躍しているっぽい描写もありますが……。

 ユニコーンは「ラプラスの箱」への手掛かりを次々に開示していくワケですが、開示されるのは単なる座標情報。最初は破壊された地球連邦大統領官邸〈ラプラス〉、次なる座標はオーストラリアのトリントン。
 一年戦争で最初にコロニーが落下した場所ですね。『ガンダム0083』でもお馴染みの場所。こうなると宇宙世紀の主な戦場巡りでもするのかという予想になるのですが、全六話の予定でどこまで行くのか。
 どうやら戦争の傷跡をユニコーンの乗り手が見ていくことが重要であるらしい。
 〈ガランシェール〉はバナージを捕虜にしたまま、トリントンへ向かい、そこでユニコーンを起動させて、更なる情報を得ようと計画する。
 地上にいたネオジオン残党はその作戦に呼応し、各地からモビルスーツが決起して馳せ参じてくる。

 総じて『ガンダムUC』は、奇数話で派手な戦闘、偶数話で人間関係や、設定上の説明を行って、ドラマに緩急を付ける傾向にあるので、今回も割とそういう流れになるのかと思っていましたが、そうでも無かったですね。
 砂漠越えの場面はしみじみとした場面でしたが、さすがにシリーズも後半戦に突入するのに、あまりしんみりしたままではイカンのでしょうか。
 今回は戦闘シーンも盛り沢山──と云うか、お祭り状態(主にジオン側の)。

 ザクとかズゴックとかの懐かしのモビルスーツから始まり、設定上ボツになった筈のゾゴックとか、ジュアッグとか云うマボロシのモビルスーツが登場したときには笑ってしまいました。しかもそこそこ強い(笑)。
 もう今までの設定を総動員して、ゲーム版にしか登場しなかった機体やら何やらが我も我もと顔を出すので、ファンとしては嬉しいのですが、ちょっとヤリスギ感が漂うような。
 一年戦争時代のMSだけではなく、ティターンズ時代のマラサイやらバイアランやらまで登場します。バイアランか。そんなものまで出しちゃって大丈夫なのか。
 コアな私の友人によると、バイアランの登場はヤリスギで許せないらしい。設定上のウンチクが色々とあるようで、私にはよく判らんデス(汗)。
 それにしても一年戦争から一五年後くらいの時代設定なのに、残党の皆さんは愛機の整備に怠りないようで、素晴らしいデスね。見上げたジオン魂デス。

 今回の目玉は新型モビルアーマーのシャンブロ。「~ブロ」と云う名前にするとMAぽくなりますね。ビグロ、グラブロ、ブラウ・ブロ、シャンブロ。SF者としては「シャンブロ」と云われると、最後に「ウ」も付けたい誘惑に駆られます(汗)。
 フル・フロンタルによると、シャンブロは「ハマーンの遺産」だそうですが、こういう充実した戦力を見るにつけ、「どうして負けたのかなあ」と不思議に思ってしまいます。フツー勝つでしょ、これだけあったら。
 まあ、シャンブロは妙に巨大である分、鈍重でいまいちカッコ良いとは思えぬのですが。

 シャンブロを操るのが新キャラのロニさん(伊瀬茉莉也)。親の世代の負の遺産を一身に背負ったキャラで、なかなか可哀想な女の子です。だから女の子がMAなんかに乗ったらロクなことにならんのですよ。MAは女の子を不幸にするだけなのに(これもお約束か)。

 新キャラと云えば、遂に今回でブライト・ノア艦長が登場してくれました。鈴置洋孝さん亡き後のブライト役は、成田剣。ジェレミア・ゴットバルトと云うかオレンジ卿ではないデスか。しかしこれがまた実によく似ています。この配役は成功ですね。
 ロンドベル隊の旗艦〈ラー・カイラム〉に乗船しての登場ですが、左舷の弾幕は今回もお預けでした……。

 第四話はバナージとジンネマン艦長、そしてロニさんがメインのエピソードなので、オードリーの出番は少なかったのが残念。しかし気になったのはオードリーと名も無きダイナーの店長の会話ですね。この店長は名も無きキャラなのに森功至ですよ。
 戦争も動乱も、すべては人の善意から始まるという旨の発言に、何やらこの『ガンダムUC』のテーマが現れているように思えます。誰も人を不幸にしたくて争うわけでは無い。愛する者の幸福を願うが故の行いなのである。
 それを単なるエゴと片付けて良いものか……。

 そして第五話への引きは、メカ物としては超お約束のライバル機の登場ですね。
 「黒いユニコーン・ガンダム」か。定番の展開ですし、判っちゃいるけど、これは燃える。誰が乗ってるのか、察しが付くのは御愛敬です。
 第五話は来春五月公開予定ですか。うーむ。待ち遠しい。


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